20代の学生です。気になったので質問させてください。ここ数年のことだと思いますが、銀行と消費者金融が提携するようになったのは何故でしょうか? 私のイメージでは、同業他社ということでライバルのような感じがするのですが。銀行の名前を冠にした消費者金融もありますが、それは銀行ではありませんよね? 銀行と提携している消費者金融と、提携していない消費者金融に違いはあるのでしょうか?

銀行と提携していてもいなくても消費者金融は消費者金融

区別するなら、銀行は銀行、消費者金融は消費者金融です。消費者金融は、銀行の名前が付いていてもいなくても変わりません。消費者金融や信販会社は「貸金業者」です。2010年に貸金業法が改正になったのですが、このとき「総量規制」という法律ができました。

これは貸金業者に適用されるもので、それまで野放図だった貸し出し額に一律の制限が儲けられました。すなわち「貸金業者は年収の3分の1を超える額を貸し付けてはいけない」とするものです。

この「総量規制」に加えてグレーゾーン金利の撤廃などもあり、貸金業者は儲からなくなりました。1990年代から2000年代にかけて、消費者金融がとても興隆していたのをご存じではありませんか?

特に2000年代は、テレビを点ければ消費者金融のCMばかり流れていました。ところが法改正後は儲からなくなったので、倒産したり他の会社と統合して名前がなくなる消費者金融が相次ぎました。一方で台頭したのが銀行のカードローンです。

銀行は貸金業者ではありませんので、「総量規制」の対象外です。つまり収入のない人、たとえば専業主婦にでも貸せます。実際、消費者金融で借りられなくなった専業主婦をターゲットにしたプランを銀行では扱っています。

しかし、銀行はそれまで個人向けの少額融資に積極的でなかったため、ノウハウがありません。そこで消費者金融と提携して、審査や取り立ては消費者金融に任せることにしたのです。そうした利害一致の結果、銀行カードローンがあり、その傘下の消費者金融でも別途カードローンをやっているという、いささか不思議な現象が起きています。

ちなみに、銀行が提携する消費者金融は一社とは限りません。複数の消費者金融や信販会社と提携して、その数カードローンをやっている銀行もあります。銀行と消費者金融では、銀行の方が金利が低いのが普通です。

なので誰でも、まずは銀行に申し込むと思います。そこで審査に落ちると、提携する消費者金融を勧められることがあります。もし銀行に申し込んで消費者金融を勧められたら、不思議がらずに「審査に落ちたのだ」と理解しましょう。

【参考ページはこちら】
メガバンクと消費者金融の関係はどうなってる?

銀行と消費者金融の提携によるサービスの向上とは?

大手の消費者金融の多くは、銀行グループに所属して業務を行うようになっています。これらの業者は、銀行系消費者金融という新しい金融機関として分類されています。銀行の様な安定したサービスを行った上で、消費者金融の特徴である商品を用意しており、多くの人が利用するようになっています。

一方で、銀行の消費者金融の長所を生かしたサービスを提供するようになっています。銀行と消費者金融の提携により、生み出されたメリットと言えます。消費者金融の特徴的なサービスを取り入れる事により、銀行も魅力的なサービスの提供が行われています。
(⇒太陽銀行では消費者金融の借り入れを一本化できる?

消費者金融の特徴的なサービスは、個人向けのカードローンが代表的です。担保や保証人を用意することなく審査に申し込む事ができる上に、短時間で結果が判明するスピード審査を行っているという事が魅力の商品です。1万円程度の少額からの申し込みも受け付けており、飲食や買物などのレジャー目的での利用も認められています。

消費者金融の個人向けカードローンは、20歳以上で安定した収入を得ているという事が申込み条件であり、アルバイトやパートタイムも利用する事が出来ます。(こちらもご参考に→消費者金融を利用しやすい職業ってある?)いろいろな人が多様な目的で利用する事が魅力の商品であり、消費者金融の代表的なサービスとして多くの人に知られています。

このような内容のカードローンは、現在は銀行も行うようになっています。銀行と言えば、審査に時間がかかる金融機関として知られていますが、個人向けカードローンではスピード審査が実施されています。審査を消費者金融に委託した事で実現されたサービスであり、銀行と消費者金融の提携によるものです。

消費者金融が銀行グループに所属した事により、お互いの長所を生かした内容のサービスを利用する事が可能となっています。申し込む側からすると選択肢の幅が広がったという事であり、有利な利用を行えるようになっています。それだけ商品内容は多様になっており、申し込む前の比較検討が重要となります。

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